22.09.16
コトラーの競争地位戦略とは?4つの分類をわかりやすく解説!
企業を伸ばすための戦略を考えるためには、まず「自社がどの位置にいるのか」がとても重要になってきます。マーケットにおいて、どの位置にいるのかで取るべき戦略も変わってきます。
この記事では、「競争地位戦略」について、その中で分類される4つの地位についてもわかりやすく解説していきます。
目次
コトラーの競争地位戦略とは?
競争地位戦略とは、「現代マーケティングの父」とされているフィリップ・コトラーが競争戦略理論で、「同業界内における競争上の地位により、取るべき戦略の定石が異なる」との考えを提唱しました。
マーケットシェアにおいて4つのグループに分類され、それぞれ「リーダー」「チャレンジャー」「フォロワー」「ニッチャー」と呼ばれます。
競争地位4つの分類
上記にもありますが、マーケットシェアにおける「リーダー」「チャレンジャー」「フォロワー」「ニッチャー」の4つの分類にはそれぞれに特徴があり、取るべき戦略に違いあります。
ここでは、4つの分類の特徴や戦略についてみていきましょう。
リーダーの特徴と戦略
まずは、業界内のトップを走る「リーダー」についてみていきましょう。
特徴:業界内のトップを走る
名前通り、業界内でトップを走る企業が「リーダー」とされています。
自社製品のシェアが高いため、業界内でも大きな影響力があります。業界内のシェアを落とさないことに加え、市場拡大が進むことで利益も伸びるため、いかに市場拡大をするかがポイントになっていきます。
戦略:潤沢なリソースで全方位カバー
リーダーが恐れていることは、業界内のシェアを他社に奪われてしまうことです。
製品の種類を増やす「フルラインナップ戦略」や他社が進めてきた差別化戦略と同じ方法を取り入れて「同質化」することで、市場のシェアを守ったり、はたまた伸ばせるでしょう。豊富な量的経営資源、質的経営資源のあるリーダーだからこその戦略です。
「全方位」をカバーすることで、盤石な地位を築くことができます。
チャレンジャーの特徴と戦略
次に業界2・3番手の「チャレンジャー」についてみていきましょう。
特徴:トップを狙いシェアを奪いに行く
業界内ではトップに次いで、高いシェアを誇るのが「チャレンジャー」です。
質的経営資源はリーダーに及ばないものの、シェアも高く、量的経営資源に優れた企業となります。いかにリーダーのシェアを奪いにいけるかが、チャレンジャーの利益を伸ばすための目標と言えるでしょう。
戦略:トップの地位を狙い「差別化」
リーダーは挑戦的な製品は出しづらい場合もあります。そういったリーダーがまだ力を入れていない製品・分野に大胆に挑戦していくといった、リーダーとの「差別化戦略」を目指すことが重要です。
質的経営資源の乏しいチャレンジャーは、リーダー企業の戦略よりも常に先手を出し続けることでリーダーと入れ替わりを狙っていきます。まさにチャレンジングな姿勢が求められる位置です。「差別化」された製品をいかに強く推し出せるようになるかが、リーダー企業と入れ替わるかが鍵となります。
ニッチャーの特徴と戦略
それでは次に特殊なニッチャーについてみていきましょう。
特徴:ニッチな分野で一点突破型
ここまでみてきたリーダーやチャレンジャーが狙わないような隙間を縫った製品をマーケットとしている企業が「ニッチャー」と呼ばれます。
ある市場に特化することでその分野で「ミニリーダー」と呼ばれるようにニッチな市場では、トップを誇るほどの質的経営資源に優れた企業です。
量的系資源としては、リーダーとチャレンジャーに及びませんが、ニッチな市場の中で利益を稼ぐことができます。
戦略:得意な領域で市場拡大を目指す
質的経営資源では非常に優れたニッチャーは、自社の得意分野において、リーダーのように製品力をさらに伸ばし、市場拡大を目指すことが重要です。ニッチな市場で拡大をしても、リーダーやチャレンジャーは参入することが難しいため、シェアを伸ばしやすいはずです。
また、ニッチな市場になるということは、「狭い分野が不要になり一気に利益がなくなる」といったリスクもあります。そのため、ニッチな分野をいくつか得意な分野としておく「複数ニッチ戦略」も効果的です。
フォロワーの特徴と戦略
最後にフォロワーについてもみていきましょう。
特徴:量・質に乏しくシェアも少ない
ここまでみてきたどの地位の企業に比べても、質的経営資源も量的経営資源も劣っている企業が「フォロワー」となります。目指すべきはリーダー、チャレンジャーに追随するような企業になることです。
この時点では製品に強みがないため、製品にかけるコストをできる限りかけずに市場で生き残ることを目標として、少しずつ利益を確保していくことを目指します。
戦略:トップ企業の戦略を模倣
先に市場のシェアをとっているリーダーやチャレンジャーの戦略をマネしていく「模倣戦略」をすることで、製品の開発に関わるコストを抑え、利益を生み出していくいきます。シェアに高い企業の優れた戦略を模倣していくことで少しずつ企業としての力を溜めていきましょう。
業界内の自社の立ち位置を理解して戦略を立てよう。
ここまでフィリップ・コトラーの「競争地位戦略」について解説してきました。
現時点で4つのうち、どの分類に属しているでしょうか?分類された地位によっての特徴ととるべき戦略を参考に、これからの行動につなげていきましょう。
利益を伸ばし、業界のトップ企業である「リーダー」になれる日が来るかもしれません。
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