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22.07.15

PEST分析って何?PEST分析の目的と有効性、やり方を解説!

企業運営において、自社の外の環境である社会の動きや経済状況は決して無視できません。企業がどのような戦略で事業を展開していくのかを決定する時の第一歩は、このような外部の環境要因を正しく理解することです。

今回は外部環境を分析するために使用されるフレームワークである、「PEST分析」について、目的や有効性、やり方などを解説していきます。

PEST分析ってなに?

PEST分析の概要

PEST分析とは、自社を取り巻く外部の環境が、現在もしくは将来的にどのような影響を与えるかを把握・予測するためのフレームワークです。外部環境を細分化すると、「マクロ環境」と「ミクロ環境」に分類されますが、PEST分析は企業での制御不可能な「マクロ環境」を分析するフレームワークに該当します。 アメリカの経営学者であるフィリップ・コトラーが提唱したこのフレームワークは、マーケティング戦略を立てる時に使われています。

PEST分析の分類4つ

PEST分析は「P・E・S・T」の4つに分類することで分析を行う手法です。それぞれの特徴を紹介します。

分類 内容
Politics (政治) 法律や税制度、政治団体の傾向など、政治的な環境の要因
Economy (経済) 景気や物価・株価の変動など、経済的な環境の要因
Society (社会) 人口の変動や世論・流行、災害などの自然環境といった、社会的な環境の要因
Technology (技術) 新しい技術や特許、IT活用など、技術的な環境の要因

これらの頭文字を取ってPEST分析と呼びます。この4分類を使ってどのようにPEST分析を行うのかは、後述の「PEST分析のやり方」を参照ください。

PEST分析の目的と有効性

PEST分析の目的は、外部環境の状況を正しく理解し、自社に影響を与えうる重要な要因を分析することです。

PEST分析は、事業の今後のマーケティング戦略を決定する時の調査に用いられることが多くあります。これは、自社を取り巻く外部環境を把握し、自社への影響の度合いを正確に測ることができるためです。

また、PEST分析は別のフレームワークと連携して活用することで、より企業の状態を分析するうえでより有効になります。 例えば、PEST分析で分析した外部環境(ミクロ環境)は、SWOT分析の「機会」と「脅威」に当てはめることができます。このように、フレームワークを複数連携して分析を行うことで有効性を高めることができます。

PEST分析のやり方

1. 情報を収集

自社の活動に関係のある外部環境の情報を収集します。ここで注意する点としては、信頼できる情報源からの情報を収集することです。誤った情報や不確定な情報を収集することのないよう、国の発信する情報や公式の声明など主に一次情報を収集するようにしましょう。

2. 収集した外部環境要因を4つに分類

前の工程で収集した外部環境の情報を、「Politics (政治)」「Economy (経済)」「Society (社会)」「Technology (技術)」の4つに分類します。 このとき、その外部環境要因が本当に自社影響を及ぼすものであるかを精査 しながら分類していくことが重要です。

3.「事実と解釈」に分類

ここまでの段階で挙がった外部環境の情報を「事実」と「解釈」に分類し、「解釈」に分類された外部要因を今回の分析対象から除外します。 ここでいう「事実」と「解釈」は、以下のように定義されます。

分類 内容
事実 収集した情報のうち、実際に決定していること、起きていること
解釈 収集した情報のうち、主観による思い込みや解釈が入ったもののこと

解釈のような不確定な要素を分析することで、以降の工程で決定される戦略にズレが生じ、結果に結びつかない可能性が高くなります。

4. 事実を「脅威と機会」に分類

手順3で抽出した「事実」を、この行程では「脅威」「機会」に分類します。

ここでいう「機会」と「脅威」は以下のように定義されます。

分類 内容
機会 自社にとってチャンスとなる外部要因のこと
脅威 自社にとってリスクとなる外部要因のこと

しかし、一概に脅威と言っても、それが自社にとっての本当の脅威となるかをしっかり考えることが重要です。業界への脅威が自社にとっての機会となる場合もあり、その逆で業界にとって機会とも言える状況が自社にとっての脅威となる可能性もあることを理解しておきましょう。脅威を機会に変えるという視点もPEST分析においては重要です。

5.「短期と長期」に分類

ここまでで出揃った外部環境の要因を、「短期」「長期」に分類します。 ここでいう「短期」「長期」は以下のように定義されます。

分類 内容
短期 自社に及ぼす影響が一過性であると考えられるもの、またはすぐに起こると考えられるもの
長期 自社に影響を及ぼすと考えられるもの、または将来的に起こると考えられるもの

外部環境要因を時間軸に落とし込むことは、戦略を考える全メンバーとの認識を合わせる点において重要です。この工程を疎かにすると、認識のズレにより議論が噛み合わないということもあるため、全メンバーの時間軸意識を統一してPEST分析を進めましょう。

6. 具体的な戦略の制定

ここまでの分析結果を事業戦略に落とし込みます。ここで重要なのは、優先順位を明確にすることです。「脅威と機会」、さらに「短期と長期」に分けた各環境要因のうち、会社として優先的に対応すべき要因を念頭に置いて具体的な戦略を決定します。

PEST分析のやり方を理解し、戦略決定に役立てよう

今回は、自社を取り巻く外部環境を正しく分析するフレームワークである、PEST分析のやり方について解説しました。 新規事業を始めるときや事業方針を転換する時など、企業活動を行う上で会社は今後の戦略を決定することになります。このとき、自社の置かれている環境を理解せずに戦略の決定を進めてしまうと、実際の世間の動きなどから会社の方針が乖離する可能性が高くなってしまいます。 PEST分析のフレームワークを用いて、正確な外部要因の情報を収集し、それが会社にどのような影響を与えるのかを分析することで、効果的な事業戦略を立てましょう。

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