22.03.25
マーケティングの4C分析とは?活用方法や注意点も解説
企業のマーケティング戦略を立案する際に重要となる「4C分析」とは、自社の商品・サービスを顧客目線でマーケティングを行う特徴があります。
よりいっそう価値がある商品やサービスを求める顧客が多い現代において、ビジネス成長のために4C分析は必要不可欠です。
そこで今回は4C分析とは何か、活用方法や注意点も紹介します!
目次
4C分析とは
はじめに「4C」とは、顧客が商品を選択し購入するまでに大きな影響を与える4つの要素から頭文字を取って表したマーケティング理論です。
・Customer Value(顧客価値)
・Cost(コスト)
・Convenience(利便性)
・Communication(コミュニケーション)
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そして4C分析とは、上記4つの要素を「顧客目線」から分析し、マーケティング戦略を考えるフレームワークのことを言います。商品を購入する顧客側の目線に立ちサービスのメリットを整理することで、商品の開発や改善に役立てることができます。
それでは4Cの概要についてそれぞれ解説します。
Customer Value(顧客価値)
顧客価値とは、商品・サービスに対して顧客が抱く価値の大きさを表します。
性能や品質だけではなく、顧客は企業の認知度やブランド力、商品デザインなど複数の要素から価値を感じます。そのため、顧客が商品購入後やサービス成約後にどのような恩恵をうけられるか、想像させるようなベネフィットの深掘りをしておくと良いでしょう。
Cost(コスト)
コストとは、顧客が商品・サービスを得るために発生する費用を指します。
顧客価値とも密接に関係しており、顧客が価値を十分に感じていれば、コストが大きくても成約につながります。しかし、顧客がコスト以上の価値を感じていなければ、低価格な商品やサービスであっても成約には至らないでしょう。
利益を出すために高価格にしたり、逆に顧客が購入しやすいよう低価格に設定するなどの短絡的な考えではなく、あくまで顧客が価値相応だと感じられるコスト設定が必要なのです。
Convenience(利便性)
利便性とは、顧客が商品やサービスを購入に至るまでのプロセスや決済に不便がないかを表す要素です。
どんな場所、どんな方法で販売すると顧客にとって便利なのかを考える必要があります。
例えば店舗へのアクセシビリティーやオンラインショップの展開、決済方法の多様化など、どのような販売方法を選択すれば購入につながりやすいか、顧客目線での検討が必要です。
Communication(コミュニケーション)
コミュニケーションとは、互いの考えや気持ち、価値観を伝える行為です。買い物時に出会うお店の従業員と話したというようなやり取りもコミュニケーションの一つに含まれます。
顧客と自社がコミュニケーションを取ることも、マーケティングにおいて大切な要素です。
普段からセミナーの開催やオウンドメディア構築によるホワイトペーパーの送付、SNS・メルマガなどの積極的な活用は不可欠でしょう。
また、Webサイトにチャットボットを導入するなど、質問や相談を気軽にできる仕組みづくりも重要です。
顧客との良好な関係性を築くことが、成約への大きな一歩になるでしょう。
4C分析の3つの活用方法
4C分析は便利なフレームワークですが、マーケティングの場でどのように活用すればよいのでしょうか。
そこで4C分析の活用方法を3つ紹介します。
1.既存の商品・サービスを分析する際に活用
既存の商品・サービスは、長年取り扱っている商品ほど、時間が経過して市場環境が変化するにつれて徐々に現在の顧客のニーズとかけ離れてしまうこともあります。
当初はターゲット層にフィットしていたとしても、定期的に見直し・改善を行う必要があるでしょう。
既存の商品やサービスをリニューアルする際や、特に売れ行きが落ち込んだ品目を分析する際にも効果的です。
2.新商品・サービスを開発する際に活用
組織内で新商品やサービスを企画する際、4C分析を用いてそれぞれの要素が顧客にもたらす影響を客観的に分析してみましょう。
個人の勘や感覚によって新しいアイデアが生まれることでスピード感がある商品開発も行えますが、まずは企画者や開発者の主観を取っ払って顧客の視点から魅力的なものになっているか検証することが重要です。
3.競合他社の分析に活用
市場調査により競合他社を決定し、自社商品のブランド力や戦略を分析することは重要です。顧客分析をして魅力的な商品・サービスを効果的な方法で提供したとしても、他の企業が同等あるいはそれを上回った商品・サービスを提供している場合は決して安泰ではありません。
マーケティングで成果を出し続けるには、顧客分析だけでなく競合他社との競争においても優位性を発揮しなければならないでしょう。そこで4C分析といったフレームワークを、自社と顧客の両者だけでなく、競合他社との比較にも活用すればより効果的です。
4C分析における3つの注意点
4C分析を実践する際、注意すべき3つのポイントをおさえておきましょう。
・顧客視点から離れない
・ターゲットを明確にしておく
・競合他社との強みと弱みを把握しておく
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それぞれどのように注意したら良いのか、具体的に解説します。
顧客視点から離れない
4C分析の基本は顧客視点になっていますが、作成を進めていくと作者の主観的な考えや理想的な顧客像を反映してしまうことがあります。
そこで顧客ファーストで開発できているか見直したり、どうしても客観的な分析ができない場合は、統計データの収集や顧客へのアンケートを実施することがおすすめです。
ターゲットを明確にしておく
4C分析をする際は「ターゲット」の存在をベースに考えましょう。
ターゲットの設定が曖昧だと、顧客の考えや行動パターンが正しく分析できません。自社の商品・サービスのペルソナを細かく設定して、どのターゲットを分析するのかを明確にしておきましょう。
すでに顧客データやリストがある場合は、既存データから実際の顧客像を作るのもおすすめです。
競合他社との強みと弱みを把握しておく
4C分析では市場や競合他社の現状だけでなく、競合他社がどのようなところに強みと弱みを持っているのかまで細かく分析するようにしましょう。なぜシェアNo.1なのか、導入実績が豊富なのかなどを深掘りすれば、業界の市場に対してどのような強みがあるのかが見えてくるでしょう。
同時に競合他社が対応できない弱みも洗い出し、自社が勝てる要素を少しでも見出すことが重要です。
4C分析を有効活用しましょう
今回は近年の多様化する市場において欠かせないフレームワークである4C分析を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
4C分析を用いて顧客視点からマーケティング戦略を立てることで、自社の商品・サービスの魅力、また解消すべき課題など新たな気づきが生まれるはずです。もちろん、4C分析だけではなく、他のフレームワークとの併用でより詳細で効果的な分析を行うことも可能です。
4C分析を有効活用して、顧客に満足してもらえるよう最適な商品・サービスを提供しましょう。
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