22.03.18
ペルソナってなに?マーケティングにおける必要性やメリットを解説!
マーケティング業務の中で「ペルソナ」という言葉をよく聞きますが、「ペルソナってなに?」と悩んではいませんか?
「ペルソナ設定」は、マーケティングの基礎知識とも言えるぐらい、よく使う言葉です。
そして、この「ペルソナ設定」を作ることができていれば、マーケティングの質を上げることができます。
そこで今回は、ペルソナとは何か、ペルソナ設定によるメリットや注意点をわかりやすく解説いたします。
目次
マーケティングにおけるペルソナとは何か?
「ペルソナ」とはラテン語で「Persona」で、もともとの言葉の意味は「仮面」や「人格」になります。
現在その言葉の意味が派生してマーケティングにおいては、「自社の商品やサービスを利用すると思われる架空の顧客像」という意味で使用されています。架空の顧客像とは、性別や年齢、職業、家族構成、ライフスタイル、価値観などを詳細に設定したものです。
マーケティングでは、顧客のニーズを捉えることがとても重要となります。顧客のニーズを理解し把握する方法の一つとして「ペルソナ設定」が多くの企業で取り入れられています。また、マーケティング戦略の中で、ペルソナを設定することは、商品やサービスの企画から販売まで一貫させることができるという特徴もあります。
ペルソナ設定とターゲット設定の違い
ここまでペルソナについて解説しましたが、ターゲットをマーケティング用語に言い換えたのがペルソナだと思った方はいませんか?実は似ているようで、意味が異なります。では、それぞれ、どのように異なるのでしょうか。
ターゲット設定とは、商品やサービスを利用すると思われる属性を絞って設定することです。つまり、「おおよその年代や性別といった属性で区切って絞り込んだ対象」を言います。
ターゲット設定に対して、ペルソナ設定は、ターゲット設定をさらに詳細まで定義し、「実在しそうなユーザー1人を想定して作られる架空の人物」です。
比較してみると、一目瞭然ですよね。ターゲット設定と比べるとペルソナ設定の方が、性格やライフスタイルまで考えられており、設定がより詳細で深いというのがわかります。このようにターゲット設定とペルソナ設定がそれぞれ存在するのは、市場が成熟することで、商品の種類が増え、個人のライフスタイルも変わってきているためです。
ペルソナを設定することのメリット
ペルソナ設定で自社の商品やサービスを利用すると思われる架空の顧客像を詳細に設定することは、どんなメリットがあるのでしょうか。
今回はペルソナ設定の大きなメリットを3つご紹介いたします。
・顧客のニーズに合った商品やサービスを提供できる
・社内での方向性を一致させることができる
・マーケティングの精度を上げることができる
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顧客のニーズに合った商品やサービスを提供できる
最近では市場にさまざまな商品やサービスが溢れていており、それに伴い顧客のニーズも多様化しています。そのため、顧客の対象を広く設定し、どんな人にも売れるようにするというのは難しくなってきています。
だからこそ、顧客のニーズを深く理解し、その顧客のニーズに合っているかどうかが、商品やサービスの売り上げに影響します。
ペルソナ設定というのは架空の顧客像を明確にすることで、実際の顧客とのニーズが合っているかどうかを確認することができます。また、どんな顧客かをより詳細にイメージできていれば、顧客の立場に立って顧客の課題やニーズを考えやすくなります。
もしペルソナ設定と実際の顧客像が合っていなくても、顧客のニーズを商品やサービスに反映させることで、顧客が求める商品提供ができるようになります。そうすることで、売り上げの向上にも繋がります。
社内での方向性を一致させることができる
商品やサービスのそれぞれの担当者が想像している顧客像が異なり、チーム全体の方向性がバラバラで一致していないということはありませんか。その原因は、ペルソナをそもそも設定していないことや、ターゲット設定で顧客像の大枠しか決まっていないことにより、担当者それぞれの認識にズレが起きてしまうからです。
担当者によって顧客像の認識が違うと、商品やサービスに反映させる顧客のニーズも異なってしまうため、商品やサービスにも統一性がなくなってしまうこともあります。そのため、チームの方向性を統一させるためにもペルソナ設定というのは、とても重要となります。
ペルソナ設定で顧客像の詳細が共有できていれば、担当者それぞれが同じ方向性で業務に取り掛かることができ、打ち合わせや業務をスムーズに行うことができるというメリットもあります。
マーケティングの精度を上げることができる
ターゲット設定のように「首都圏在住、20代」と大枠でしか決まっていなかった場合、担当者によって想像する顧客像というのは異なってしまいます。そのような場合、マーケティングの戦略や企画のアイディア出しをする際に、担当者によって異なった顧客像に対するアイディアになってしまいます。また、アイディアも多数出てしまうため、まとめることも難しくなってしまいます。
ペルソナ設定ができていれば、マーケティングの精度を上がります。ペルソナ設定により顧客像が明確になることで、必要な情報が集まりやすくなり、社内で出たアイディアも効果的なものに絞ることができます。さらに、チームで同じ顧客像をイメージしているため、意思決定のスピードも早めることができるようになります。
ペルソナを設定する際の注意点とは
ペルソナ設定は、設定することで安心してしまう方が多くいますが、いくつか注意した方がいいことがあります。その中でもよく間違えやすい注意点を3つ紹介いたします。
・理想像や主観をペルソナ設定に入れない
・ペルソナ設定を定期的に見直す
・わかりやすいペルソナ設定を作る
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理想像や主観をペルソナ設定に入れない
ペルソナ設定を、「どんな顧客が購入するかよくわからないけど、こんな顧客に売りたい」「きっとこんな顧客が購入するはず」と作られていることがあります。このように作ったペルソナ設定は、理想像や主観が入っているため、それでは実際の顧客のニーズや状況とペルソナ設定での架空の顧客像が乖離してしまうことがあります。それでは、狙った成果を得ることはできません。
理想像や主観を入れずにペルソナ設定の精度を上げるためには、実際の顧客の状況をペルソナ設定に反映させることが重要となります。実際の顧客の状況としては、クチコミやSNS、インタビューなどを取り入れることが、リアリティのある顧客像を作るポイントとなります。
ペルソナ設定を定期的に見直す
ペルソナ設定は固定させず、作った後も定期的に見直す必要があります。なぜなら、時間の経過や市場の変化に合わせて、顧客のニーズや状況などは変化していくからです。
例えば、私たちのライフスタイルもコロナの影響により、以前と比べるとオンラインでの買い物が増え、食事は外食よりも出前の方が増えたという方が多いのではないでしょうか。顧客のニーズや状況の変化に合わせてペルソナ設定を変えていくことが、ペルソナ設定の精度を上げるためにも重要となります。ペルソナ設定の定期的な見直しができていないことで、商品が販売されたときに顧客のニーズとズレたものを販売することになるということもあります。
市場の変化や顧客の状況を確認し、顧客のニーズを満たすことができるペルソナ設定ができているか定期的に見直しましょう。
わかりやすいペルソナ設定を作る
ペルソナ設定というのは、メリットでも紹介したように社内の方向性を一致させる役割もあります。ですが、ペルソナ設定を作っていても他の人はイメージできていなければ、設定していないのと変わりありません。そのため、商品やサービスの担当者がどんな人物に販売するかしっかりとイメージできるような、わかりやすいペルソナを設定する必要があります。
ペルソナ設定はターゲット設定とは違い、詳細に設定することとお伝えしましたが、中にはさまざまな特徴を一つのペルソナに詰め込みすぎていることがあります。特徴を詰め込みすぎていると、本当に必要な情報と必要ではない情報があり、複雑化してしまいます。
ペルソナ設定をわかりやすく作るためには、文字だけではなく写真やイラストなどを使用し、視覚的に作ることで、イメージを共有しやすくなります。さらに、ペルソナ設定の情報を必要なものに絞っていることで、よりシンプルでわかりやすくすることができます。
ペルソナ設定でマーケティングの効果を上げる
今回はペルソナ設定について詳しく解説いたしました。ペルソナ設定ができていれば、顧客のニーズを満たすことができるだけではなく、社内での方向性も統一させ、マーケティングの精度を上げることができます。このようなメリットのため、多くの企業でペルソナ設定が使われています。
マーケティングの業務でもメリットの大きいペルソナ設定ですが、作る際にはいくつか注意が必要なこともあります。今回紹介した注意点を対策することができれば、より効果的なペルソナ設定を作ることができます。
マーケティングの成果が出なくて悩んでいる方は、ぜひペルソナ設定から始めてみてはいかがでしょうか。
用語集解説