新商品を売り出すとき、どの企業も「この商品をもっと多く売りたい！」と考えるでしょう。商品の売り上げを伸ばすためには、その商品を求める人に対して興味を持ってもらい、購買欲を高めることが必要です。そのためには、ターゲット層を正しく設定してブランディングやマーケティングを行うことがとても有効なのです。

今回は、ターゲット層とはいったい何なのか、商品の売上やサイトなどの閲覧数のアップに効果的なターゲット層の設定について、メリットやデメリットを踏まえて解説していきます。

そもそもターゲット層って何？

ターゲット層とは、自社の製品やサービスを提供・販売するにあたって対象となる顧客層のことを指します。

このターゲット層を設定することで、商品を市場にアプローチする際に重要となる「ターゲットとなる顧客層」を明確化することができるのです。 ターゲット層は言い換えると「利益が期待できる顧客の層」です。この層に絞って商品のパッケージや価格設定、広告媒体などを選定することで、全ての層に向けたマーケティングに比べると限られた経営資材を効率的に投入することができるのです。

このターゲット層を区分する時によく用いられるのが「年齢」と「性別」の区分です。以下のような区分をどこかでみたことのある方も多いでしょう。

このターゲット層の区分はテレビ業界などで用いられておりましたが、現在ではそれ以外の業界でも広く使われている区分です。 また、その他にも「居住区」や「職業」「家族構成」などでターゲット層を区分することもあります。その商品やサービスに合わせて区分を設定し、ターゲット層をどこに絞るのかが重要となるのです。

ここまで読んだ方の中には、「ペルソナと何が違うんだろう？」と疑問に思った方もいるでしょう。ペルソナとは、顧客のインサイト(=人を動かす隠れた心理)を発見することが目的のひとつであり、ターゲット層を設定するよりもさらに詳細に設定します。

詳しく知りたい方は以下の記事をどうぞ。

ペルソナってなに？マーケティングにおける必要性やメリットを解説！

ターゲット層を設定するメリット・デメリット

ここまでで既にターゲット層の有用性は感じてもらえたかと思います。ここではより具体的にターゲット層を設定するメリットを解説するとともに、発生しうるデメリットの面も触れていきます。

ターゲット層を設定するメリット

より消費者が興味を持ちやすい

広告を作りやすい広告は、その商品を認知していなかった消費者に商品を知ってもらうために有効な機会です。

広告を作成する際に、まずどの広告媒体を用いるかを選定します。例えば、若い年代にアプローチしたいならソーシャルメディア広告、特定の職業分野の層にアプローチしたいなら専門誌の広告を選ぶといったことが有効です。 また、どのような広告デザインにするかもターゲット層が絞られていると考えやすいでしょう。

消費者が求めるような商品展開を考えやすい

ターゲットとなる顧客層を絞っていると、その層はどのようなデザインを魅力的に感じるかといった分析が可能なため、デザインの方向性を決定することが容易になります。また、その商品の種類やカラーバリエーション展開をどの程度充実させるかを決定する指標となるでしょう。

こういったメリットは、消費者が商品を好意的に感じる要因となり、その商品のファンになってもらえることにつながるのです。

効率的に経営資源を投入できる

企業において経営資源は有限です。経営資源とは、例えば人材や時間などのことを指します。

幅広い層に向けたマーケティングを行うことに比べ、ターゲットとする顧客層を限定することは、この経営資源を投入する先を無駄なく効率的に投入することができるため、効果的なのです。

ターゲット層を設定するデメリット

ターゲット外へのアプローチは難しい

ターゲットを絞っているため当然ですが、ターゲット層以外の消費者がスコープ外となってしまうことはデメリットとも考えられます。

例えば、スコープ外の消費者がその商品の広告を見た時、「自分はこの商品の対象ではないんだな」と少しでも感じてしまうとその商品への関心がなくなるため、その消費者へのアプローチが難しくなってしまうのです。

やり方次第では機会損失の恐れもある

デメリットの1つ目で解説しているように、ターゲット層を設定するということは、その顧客層以外へのアプローチは難しくなってしまいます。よって、ターゲット層設定を間違えることは、その商品を購入してくれたかもしれない機会を損失してしまうことにつながるのです。その商品を魅力的に感じる割合が少ない顧客層にいくらアプローチしても、利益は期待できません。

その商品の特徴を正確に理解し、慎重にターゲット層を設定することが重要です。

ターゲット層を設定しないとどうなるのか？

ターゲット層を設定しない場合、その商品やサービスに対する市場のニーズを探りにくく、その後の展開の方向性が定まりづらくなることが考えられます。方向性が定まらず一貫性のない展開となってしまうと、せっかくその商品のファンになった人がいても、その後の展開次第では離れてしまうことがあるのです。

また、商品やサービスの展開には限られた経営資源を投入するため、方向性の定まらないマーケティングでは、経営資源の投入が非効率的となってしまうということも考えられます。

ターゲット層を正しく設定し、マーケティングの精度を上げよう！

今回は、マーケティングにおいて重要となるターゲット層について解説しました。

ターゲット層の分析は通常、ペルソナマーケティングより前に行うことが多いです。つまりターゲット層の設定は、ペルソナマーケティング以降の段階にも影響する重要な分析段階なのです。

その商品やサービスの特徴を正確に掴み、どのような商品展開やサイトのデザイン、価格がその層の消費者にとって魅力的に映るのかを分析することで、消費者に知ってもらうことや興味を持ってもらうきっかけを作ることができます。

ターゲット層を正しく分析し、マーケティングやブランディングを効果的に行なってみましょう。

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